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心霊

煩悩さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

心霊スポットで見た赤い顔
短編 2022/07/31 08:00 1,050view

私が20歳の頃の話。当時の私は若さと好奇心から幽霊が見たい!と思い立ち、仲が良い友人と毎日深夜に心霊スポットに出向くと言う生活を送っていた。

そんな生活を7月から1カ月以上毎日送っていたが一向に幽霊に出会える事はなかった。幽霊なんていないんじゃないかと思い始めた私達は、運命の日であるお盆を迎えた。お盆と言う事でなんとなく幽霊が出そう!と友人とワクワクしながら、この日は地元の心霊スポットで有名な大きな公園に行くことに。

この心霊スポットは友人や知人から幽霊の目撃情報が多発している場所で、夏になると池で子供が亡くなる事件が多発していた事でも有名な場所である。深夜2時頃に到着、心霊スポットと言う事だけあって周りは真っ暗で聞こえるのは虫の鳴く音だけ、どこか不気味さを感じるが、心霊スポットを毎日通っていた私達は怖さよりもワクワクしていたと思う。

とりあえずベンチに座りタバコに火をつけ一服しながら友人と談笑していると、遠くの茂みから誰かが近づいて来るような足音が聞こえる。幽霊を見たかった私達は、怖さよりも好奇心が勝り、その音がする方に走って行ってみるが誰もいない。周りを見渡しても木と草が生い茂っていて、とても人がいれるような場所ではなかった。もしかしてこれが幽霊か?なんて友人とはしゃぎながら今日は幽霊が見れるかもしれない!と思い、池沿いにある高台に行って高い場所から周りを見てみようと言う事になった。

高台の前に着き、高台に登ろうとした瞬間、池に「ドボーン!」とどう考えても魚が跳ねたような音ではなく、とても大きな物が池に落ちたような音がした。

後から考えると人が池に落ちたような音だった。その音にびっくりした私は池に視線を向けるが暗くて何も見えなかった。すると隣にいた友人が高台の方を見て呆然としており、声を賭けると友人が「なんか赤い顔っぽいの見えない?」と指を差している。

指を差した方に目を向けると確かにぼんやりと赤い顔っぽい物がこっちを見ているように見えた。それを見てさすがの私も血の気がスーッと引いていたが、本当に幽霊なのか確かめないとと言う気持ちが勝り、近づこうとした瞬間、また池に「ドボーン!」と何かが落ちる音がした。その瞬間私と友人は走って逃げていた。

1年後、高校の同窓会があり私と友人はこの話を自称霊感があると言う女子に自慢気に話すと、その女子は引きつった顔で数年前にその心霊スポットに行った事があると言い話してくれた。昼に行ったにも関わらず、その心霊スポットに入っただけでイヤな感じがして、常に大勢に見られているような感覚がしたらしい。

それでも一緒に行った人達に迷惑をかけたくないと言う気持ちから、何も言わず後ろをついて行き、高台に着いた瞬間この世の者ではない多くの何かに囲まれて気を失ったと言う。

囲まれた中でも赤い顔した奴がいて、そいつと目が合った瞬間気を失ったと言う。

私は友人と顔を見合わせてただ笑うことしかできなかった。

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