我が家に訪れた美少年

当時付き合っていた彼のアパートに、私が転がり込む形で同棲を始めました。駅からバスには乗るものの好立地で駐車場込み2DKの物件。ただし木造二階建てのいわゆるボロアパートでした。

当時、私自身も20代前半で、彼が好きな事もあり、ボロアパートでも楽しく仲良く同棲生活を送っていました。

ある日の事、彼は仕事で朝早く家を出て、私は休みでいつもより遅い時間にアラームをセットしていました。

忘れ物をしたのか、彼が家に帰ってきました。

一瞬目が覚めたのですが眠いので、そのまま寝てしまいました。寝室に入ってきて私の背後の布団を踏まれていく感触が確かにありました。

その感触を胸の後ろで感じた瞬間、ぐっと苦しくなり体が動かない事に気付きました。人生初めての金縛りというやつだと思いました。

目を開けるのが怖くて心臓のみバクバク。

金縛りが解けた瞬間、辺りを見回しても彼はおらず、玄関の鍵はしっかり閉まっていました。慌てて彼に電話をしたところ、家には帰ってないとの事。

その日からおかしな夢を見るようになりました。

玄関のドアノブがガチャガチャとされる夢です。

音を立てずに玄関のドアののぞき穴から外を見ると、綺麗な顔立ちの少年が立っていました。

記憶にない顔立ちの美少年です。

そこで夢が終わります。同じ夢を何度か見た時にある事に気付きました。

寝る時に扉を開けたまま玄関が見える状態の時のみ、その夢を見るという事。

過去に何かあったのか、私の単なる夢なのかは今もわかりません。