現実か夢か…毎晩寝室へ訪れる黒い影
投稿者:たるたる (1)
私は、以前、家族と一緒に築50年の家に10年間暮らしていました。
父と母、私、姉と4人暮らしで、2階に自分の部屋がありました。築50年ですがリフォームしており、私の部屋だけ花柄の壁紙で可愛らしい見た目の部屋が気に入っていました。
私は怖がりだったので、中学生の時まで姉と私の部屋にある2段ベッドで2人で寝ていましたが、高校生になり、2段ベッドを分けて各々の部屋で、一人で寝るようになりました。
始めは怖かったのですが徐々に慣れ、一人でも気にせず寝るようになりました。
そんなある日、不思議な夢を見るようになりました。
ベッドへ入り、眠りにつくと、少しも経たないうちに、階段を昇る足音が聞こえ、私の部屋の前で足音が止まり、ドアが開くのです。
誰だろう?と思い、ベッドの柵に摑まり体を起こして見てみましたが、廊下の明るい電気の光がさすだけで、戸口には誰も立っていないのです。不思議に思いながら、私はまた眠りにつきました。
翌日、家族に「昨日、私の部屋、誰か開けなかった?」と聞きましたが、「あんたより皆先に寝ちゃったでしょ?夢でも見たんじゃない?」と家族は、誰も私の部屋には来ていないようでした。
しかし、その日から毎晩、誰かが私の部屋へ訪れる夢を見るようになりました。
毎晩、階段を昇る足音、ドアが開き、廊下から電気の明かりがさします。そしてドアに黒い人影が見えるようになりました。
その人影は毎晩、1歩ずつ私に近づいてくるのです。そして一言も発さず私を見つめています。
怖いけれど、その影が誰なのか見ようとベッドの柵や壁に摑まり、体を起こして影を見るのですが、顔は真っ黒にペンで塗られたように丸いモザイクがかかっており見えず、見つめていると眠気が勝り、また眠ってしまうのです。
その夢は、新しい家へ引っ越すまでの3カ月間、毎晩続き、新しい家に引っ越してからは、その夢はぱったりと見なくなりました。
ある日、友達が昨日見た夢の話をしていた時、以前見たあの夢の事を友達に話しました。
その時、友達から言われたのですが、「え、でも夢だったら柵とか壁に摑まった時に感覚ないよね?」と。
考えると、私は夢を見た時は毎回体を起こすため、柵や壁に摑まっており、しっかりと感覚がありました。また夢だったら、寝室も少し実際とは異なっていてもおかしくありませんが、夢に見た寝室は配置から部屋の大きさまですべて現実と同じだったのです。
それに気づいた瞬間、さーっと血の気が引き、背筋が凍りました。
3カ月間、夢だと思っていたあの人影は何だったのか・・・。夢か、現実か・・・。
マーカーペンで塗りつぶされたような真っ黒な丸い顔、今でも思い出すと、怖くてたまりません。
こわw