ちっさいおっさん
投稿者:柾 (3)
短編
2022/06/02
23:16
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小学校低学年の夏休み、自宅にて就寝時間のため、2階にある自分の部屋へ向かいました。
扉を開けると消えているはずの照明が付いており、部屋の中心には見た事もない木の椅子とその上には体長20cm程の小さいおじさんが立っていました。
おじさんは右手に壺、左でに杖を持ち、ゲゲゲの鬼太郎で登場する<こなき爺>のような見た目で、私と目が合うと『油くれ、油をくれ』と話し掛けてきました。私は恐怖から一瞬身体が硬直し、何も答えれず10秒ほどは見つめ合っていました。
しかし次の瞬間に部屋の扉を静かに閉め、すぐに大声で『おかーさーん!』と叫びながら1階へ走って逃げだしました。1階に着くと母に事情を説明し、笑われながら部屋まで同行して貰うと部屋の照明は消えており、おじさんの姿もなくなっていました。
目撃前後で小さいおじさんの話や油にまつわる怖い話などは見に覚えがなく、不気味に感じたまま時が過ぎました。
大人になった頃、ネットサーフィンをしているとそこで初めて小さいおじさんの目撃例が多数存在している事に気付きました。元来は心霊や妖怪などは信じていないタイプですが、自己体験と重なる内容が多い事でその存在だけは信じなければならないと感じています。
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小さいおじさんは本当にいると思うな〜