50人ほどの看護師たちが目撃したもの
投稿者:懐炉 (9)
短編
2022/05/06
19:23
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20年ほど前に私の祖母から聞いた話です。
祖母は若い頃、看護師として大きな病院で働いていました。
その夜、当直だった祖母は、病院の中の広い講堂スペースに布団を敷いて、50人ほどの同僚と共に就寝していたそうです。
夜深く、2時頃でしょうか。
「キャー!」
祖母は同僚の大きな悲鳴に驚いて目を覚ましました。
その場にいた50人ほどの全員が起床していたそうです。
「あれ見て!!」
看護師の一人が驚いた様子で窓の外を指さしています。
祖母が指の先に視線をやると、直径1メートルほどの火の玉がゆらりゆらりと、宙に浮いているのを目撃したそうです。
その場にいた全員が同じものを目撃しているそうなので、見間違いとは考えにくいでしょう。
看護師たちは皆、悲鳴をあげ自分の布団の中に飛び込み、震えながら夜が明けるのを待ったそうです。
明け方、起床した同僚たちは「昨夜みたアレはなんだったんだろうね・・怖かったね。」などと話しながら朝の準備をしました。
朝礼の中で院長が話始めました。
「皆さんに悲しいお知らせをしなければなりません。昨夜、手術室で婦長のAさんが亡くなりました。自殺のようです。」
その瞬間、その場にいた全員が絶句したそうです。
昨夜、看護師たちが見た物の正体は何だったのでしょうか。
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