ただいまおばさん
投稿者:けっこ (2)
これは私が小学生の頃のお話です。
三姉妹の真ん中だった私は、父、母、祖母、そして姉、妹と6人で一軒家に暮らしておりました。
ある日のこと。
いつもの様に小学校から帰って来た私と妹が部屋で遊んでいると、
「ただいま〜」
と玄関のドアが開いて、誰かが帰って来ました。
特に疑問にも思わず、おかえり!と玄関へ行くと誰もいません。
不思議に思いましたが、私も妹もすぐに忘れてしまいました。
それからまた数日経った頃。
「ただいま〜。」
また声がしました。今度はぺたぺたぺた、と足音も。そして、ドアがばたん、と閉まる音がしました。
「いまのだれ?」
当時、中学生で、そして普段から少し霊感のあった姉が血相を変えました。
「変な声だった。見に行ったけど、誰もいない。」
次は祖母でした。
「あれ?いま誰か帰って来たよね?」
このような事が頻発に続き、ついには父以外の家族全員がこの幽霊の声を聞きました。
『ただいまおばさん』と名付けられたこの幽霊は、たびたび私たちを驚かせて来ました。
お数珠や線香を持ち歩いておびえながら暮らす私たちに、父がついにお祓いの霊能者さんを呼びました。
霊能者さんが来ると、家の中をくまなく歩き、父の部屋の押し入れにただいまおばさんがおり、この家が気に入っていて居着いているが、この状態は良くないとお祓いをしてくれることに。
お祓いの最中、霊が霊能者さんに乗り移り泣き叫ぶ場面もありましたが、お祓いは無事に住み、庭から家からすべてにお祓いをしてもらい、それからただいまおばさんの声を聞く事は無くなりました。
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