こっくりさんで連れて帰った羽ばたくモノ
投稿者:けっこ (2)
これは母が中学生の時の話です。
興味本位で友だち同士でこっくりさんをやってしまった母。
母はもともと霊感があるので、やっている時から嫌な感じはしていたそうです。
すると突然、友だちの中の1人が叫びはじめ、両手の手のひらが壁から剥がれなくなってしまったそうです。
パニックになった彼女は泣き叫び、それでも手のひらはぴたっと、まるで接着剤で貼り付けてしまったように剥がれなくなってしまったそうです。
「ごめんなさい!ごめんなさい!」
全員で泣きながらそう叫んでいると、ふっと手のひらが壁から離れ、何事も無かったように腕は自由になったそうです。
嫌な気持ちのまま家路につき、食事を済ませた母は、2階の寝室の自分の布団にもぐりこみ、今日あったことを考えていました。もう2度とこっくりさんなんてやめようー…。そう思っていると、いつしか眠ってしまっていました。
それからどれくらい時間が経ったのか、母が気が付くと、部屋の中いっぱいに奇妙な音がしていました。
カサカサ、カサカサ、パタパタ…。
虫の羽音のような、しかも、1匹ではないような無数の奇妙な音と、独特の張り詰めた空気感で、母はこの世のものではないことを悟り、身体を動かさないようにして、布団の隙間から目線だけを動かして部屋の中を見渡しました。
すると、飛んでいたのは人の首。無数の、人の首だったそうです。
耳を羽根のようにして、パタパタ、パタパタと、恐怖からすぐに目を閉じてしまったものの、たくさんの首が飛んでいたそうです。
気が付いたら朝だったそうで、その後、同じものを見た事はないそうですが、今でも忘れられないそうです。
超秀逸!
飛頭蛮