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呪い・祟り

takalightさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

森のおじぞうさま
短編 2022/04/27 21:05 1,377view

子供の頃、ある夏の日に遊んでいた時のこと。

当時、私は小学校6年生くらいだったと思います。友達(A君)とカブトムシを獲りに虫かごと虫取りをもって森の中に入った時のことでした。

その森は地元の人間もあまり寄り付かないのですが、当時の私は子供ながらに好奇心があったのとカブトムシを獲りたい思いで友達と草むらをどんどん進んでいきました。

高い木が並ぶ空間に一か所だけ開けたところにたどり着きました。

その広場にぼろぼろな地蔵がこちらを見ながら端っこの木の下に佇んでいました。

その地蔵は苔に覆われ右目以外はほぼ見えず、かなり時代を感じるな~と思っていると後ろからカサッという音が聞こえました。

後ろを振り向くとそこには何もなく気のせいかな~と思い、振り返ると苔に覆われた地蔵の右目と視線が合いました。

背中からぞゾゾゾッとした悪寒が襲ったのを覚えています。

その時は、恐怖が強すぎて声も出せず友達と固まっていました。

しばらくして「ねぇ」と声が聞こえたと思ったら体が動くようになり、A君の顔を見ると青ざめていたのを覚えています。

それから、A君が「走れ」と叫び森の出口に走り20メートルくらい進んだところで走っている後ろからカサッと音が聞こえた瞬間に何に足をつかまれ、顔面から地面に飛び込んでしまいました。

しかし、特に痛みは感じず、立ち上がり走り続けると山も麓の農家の知り合いの家にたどり着きました。

農家のおじさんが走ってくる私に「どしたんか?えらい慌てて」言われた私は号泣しておじさんを困らせた記憶があります。

しばらくして私の足を見たおじさんから「地蔵にみられたんか!」声を荒げて聞かれ、思わず「うん」と答えました。

するとおじさんが「名前!名前はしゃべってねえやろうな」と言われ、「名前?」ときょとんとしている私たちに名前をいうと「あの世に招かれるんぞ」言われ私は冷や汗が出ました。

その後夏休みを終え、学校に登校すると一緒に虫取りに行ったA君が学校から転向していました。

私はA君の連絡先に電話しましたが、電話はつながらずその後姿を見ていません。

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