祖母のスープ

これは私が小学校低学年の頃の話です。
当時の私は体が弱くよく体調を崩していました。

その日も風邪をこじらせ家で寝込んでいました。
治るどころか熱がどんどん上がり意識が朦朧としています。
心配した母が解熱剤を飲ませ必死に看病しくれました。

私は気付いたら眠っており変な夢を見ました。
見ず知らずの若い女性が居て「〇〇ちゃんが具合悪くなるのはネギと生姜食べないからよ」と言われました。

すぐに目を覚まし傍にいた母に思わず夢の内容を話しました。

母はハッとして台所へ行きネギと生姜と卵のスープを持ってきました。
生姜やネギの刺激が強く正直あまり美味しいものではありませんでした。

母が言うには母が子供の頃体調を崩すとよく死んだ祖母がこれを作り食べさせたそうです。
母には不味いものを食べさせられたと言う嫌な思い出になってしまい娘の私には同じ思いをさせまいと食べさせた事はありませんでした。

しかし、これは非常によく効いて体が温まり汗が良く出て辛かった体も楽になりました。
祖母の教えは偉大でした。

それ以降体調を崩すと母は毎回そのスープを作ってくれるようになりました。
きっと私も将来子供が出来て体調を崩す度にこのスープを作るのだと思います。