徳島からの転校生
投稿者:kyogoku (4)
あれは小学5年生の夏休み明けのことだった。二学期の始業式のとき、担任の先生が転校生をクラスに紹介した。
「徳島から引っ越してきた二宮一馬君です、みんな親切にしてあげるように」。「二宮です、お父さんの転勤で来ました。埼玉は初めてなのですがよろしくお願いします」。
といって頭をぺこりと下げた。
もともと面倒見が良いことを自負していた私は体育のチーム分けや給食当番、掃除当番といった共同作業でもなるべく一緒のいて早く打ちとけられるよう助けていたつもりだった。おかげで始めは緊張していた彼も少しずつクラスのみんなと打ち解けていき、私自身も内心喜んでいた。
ところが、まだ残暑厳しい9月後半、私の周りで奇妙なことが起き出した。持ってきてもいない習字セットが二時間目の体育の授業の後にロッカーに入っていたり、提出した宿題が昼休みの後、教室のごみ箱の中から拾い出されたり、最初は何かの間違いかと思っていたのだが、その回数や範囲が少しずつ広がりついには、合成写真としか思えない私の恥ずかしい写真が黒板に張り出されるところまで発展していた。
クラスにも険悪な雰囲気が漂う中、親友の黒沢が、「二宮って徳島から来たでしょ。おれ徳島にまつわる怖い話をネットで見たことがあるんだけど、いろいろ奇妙なことをしていられなくなって引っ越してきたみたいだぞ」と言ってきました。まさか二宮くんが原因だとは思いもよらなかった私、でもその時からさりげなく様子をうかがってみると、
彼の後をこっそりつけていた私の背後に突然二宮くんが現れたり、一緒に掃除しゴミ箱を廊下に持って行ったはずの彼がそのすぐあと保健室で切り傷の手当てを受けていたりと、彼の周りで不可解な現象が生じていることに気づき私は恐ろしくなりました。
子ども心に「彼と深くかかわるのをよそう」と思い立ち、それまでしていた親切や手助けをやめ距離を取るようにしていました。
その後奇怪な現象はなくなり、三学期が始まるころ二宮君は突然転校してしまいました、何のあいさつもなしに。
あれからはや20年以上、そんな不思議な思い出もほとんど忘れていた私を再び恐怖に陥れたのは、二学期の始まり小学4年の次男が返ってきて発した一言でした。
「今日から転校生がうちのクラスに来たんだよ」
「良かったね、親切にしてあげないといけないよ。名前は?」
「うん、二宮一馬君」
「!!!」
子どものキッズ携帯で撮ったというクラスの友達との写真をみせてもらうと、あの時と同じ「二宮一馬君」が我が子の横でそれはまた純真な笑顔でうつっているのでした。
私も徳島から来た転校生に色々無茶苦茶にされた経験があります。彼も大人になるまでの腐れ縁でしたが、黙って引っ越していきました。彼が居なくなたからは、嵐の過ぎた後の様に何事も起きなくなりました。実話かどうかは存じませんが、徳島から来たというキーワードにゾクッと来た次第です。
怖いと言うよりも気持ち悪いですね。
ストーカーの系が有ったのですね。
でも小学4年生で同じ顔、同じ名前も気持ち悪いですが、その反面不思議ですね。
徳島県の人からすると面白くない話になります。あまりディスり過ぎない様に注意しましょう。