葬儀場にて
投稿者:ロイドブラザーズ (3)
代々私の家では葬儀場を営んでおり
例にもれなく私も葬儀場で働いています。
亡くなった方と最後のお別れをする場所ですから
今まで頻繁とは言えないまでも
不思議な体験をすることがありました。
これはその中でも一番私の印象に残っているお話です。
ちょうど夏も終わりかけの9月初旬のことでした
その日はお葬式のご予約を頂いていたのですが
少し事情が特殊なケースでした。
まだ20代だったという女性のご遺体だったのですが
見つかるまでかなり時間がかかったようで
損傷が激しく、また死因も不明で
お館にいれられる状況ではないということでした。
そのため骨葬という方法をとらせていただくことになったのです。
骨葬とは通常の葬儀とは逆の順番、つまり最初に火葬を行い
その後遺骨をお棺にいれて告別式をすることを言います。
その日も遺族のみで火葬を行なったのち
告別式が行われました。
弔問の方々がお線香をあげていき
故人に最後のあいさつをしていきます。
やはり若い方のお葬式というのは非常にやりきれないもので
天寿を全うしたお年寄り方の時にはない
悲痛な空気が会場全体に漂っています。
悲しみの中お別れが終わり
閉式の宣言のために私がマイクをスピーカーにつなげた時でした。
「やめてーーーーーーーーーーーーーーー」
耳をつんざくような女性の絶叫がはっきりとスピーカーから発せられました。
その場にいた全員が同じ声を聞いたはずです
時が止まったようにみんなフリーズしていました。
情けない話
私自身も背中にさーーと冷や汗をかき
なんか切ない
辛い…