見えない方が良いものもある…
投稿者:munakata (2)
私がある医療機関に事務員として勤めていた頃のお話です。
その医療機関はベッド数が約300床近くあり、内科やリハビリテーション科、精神科など多数の診療科がありました。建物は3階建てで、その地域では中規模クラスの医療機関です。私はその時、精神科病棟の事務として配属されていました。
数年前のある年明けの事でした。
私は「初夢」を毎年楽しみにしていました。なぜなら年明けには、休憩時間に病棟の職員の方たちが集まって、一人ずつその「初夢」を話すのが恒例行事になっていて、それが楽しみだったからです。
私がその年に見た初夢とは…
精神科の3階の病棟でいつものように働いていました。
ナースステーションの中に机があり、私はそこに座り、事務作業をしています。正面はガラスで、その先に廊下があり、更にその先には窓があって、雨模様の景色が見えていました。
資料を見ながらパソコンをカタカタと打っていると、「ガラガラ…」と窓を開ける音がしました。目線をパソコンから音のした方を見ると、病衣を着た若い男性患者が、窓を開けてそこから、あっという間に飛び降りていったのです!
私は大声で「飛び降りた!」と言って、すぐに窓に駆けつけます。みんなもそこに駆けつけます。窓から頭を出して下を見ると、先程の病衣の男性患者が、地面に叩きつけられ、横たわっていました…。
…ここで夢が終わりました。
私はこの初夢の事をお話すると、みんな眉をひそめながら、やめてよ〜と言った感じで、痛々しい表情をしていました。
その数ヶ月後、それが現実となりました。
幸い、飛び降りた男性患者は一命をとりとめましたが、初夢が正夢になってしまい、病棟職員の方と目を合わせ、驚きと恐怖感でいっぱいでした。
正夢に近いけど、実際に亡くならずにすんだので、逆夢になったと思われます。
初夢を話した事で逆夢になったとも言えますね。