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ヒトコワ

穴禁さんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

団地女
短編 2026/06/07 15:17 89view

夏休みのある日、ゆう君はなお君の家に遊びに行きました。

なお君の家は橋を越えた先の団地です。
たくさんある建物の中の、Cと書いてある建物の4階になお君の家族が住んでいます。

ゆう君はいつものように、駐輪場に自転車を停めて建物の外側に付いている階段を登ります。
エレベーターもありますが、ゆう君は階段を登る方が好きでした。
トンットンットンと一段飛ばしで階段を登っていくと、上の方からトントントンと階段を降りてくる足音が聞こえてきました。

トンットンットン、トントントン…

二つの足音はどんどん近付き、3階の踊り場の前でようやく重なりました

それは、女の人でした

とても細くて背が高くて、長い髪とスカートが風で揺れているのが印象的でした

すれ違う時ゆう君が挨拶をすると、女の人は立ち止まってうつむいたまま
「やまだけんいちさんのお家はどちらですか?」
と聞きました

やまだけんいちさんは知りませんでしたが、山田というのはなお君の苗字でした

ゆう君は
「知りません」
と言いました
学校で、知らない大人に何か聞かれても答えてはいけないと習ったばかりだったのです

女の人は何も言わずにうつむいたままです

ゆう君は少し怖くなってまた階段を登り始めましたが、後ろから階段を降りる足音は聞こえませんでした

なお君は1人で留守番をしていました
なお君の家で遊んでいる時も、女の人のことが気になりましたがなお君には言いませんでした

夕方5時のチャイムが鳴ったので、ゆう君は帰ることにしました
帰りはエレベーターで帰ろう、と思いました

またね!
と言い玄関を出ました

「知ってるじゃない」

玄関の前に、さっきの女の人が立っていました

「あっ」

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