その後、Bは病院に運ばれて行きました。ですが…
医者「何も問題はありませんね。」
私(七海)「…」
医者「何か強いショックを受けて、一時的にパニックになっているだけです。一週間後には退院出来るでしょう。」
一週間後、Bは退院してきました。ですがBはずっと何も無い虚空を眺め、水を恐れています。
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「速報です。◯◯県◯◯市自宅で女性計四名の遺体が発見されました。死因は…」
朝のニュースをぼんやりと眺めながら、パンを口に運ぶ。
「四人とも溺死だと思われ、死後一週間は経っていたと思われます。」
違和感を感じて、テレビから目が離せなくなる。
マンションの中で溺死…?というかこの家何処かで…
「女性は◯◯県◯◯市に住んでいる 田辺 七海さん(仮名)とその友人のAさん・Bさん・Cさんだと…」
…あぁ、思い出した。彼処は私の親友の家だ。
今から約二週間前、親友の七海(仮名)から連絡が来た。
七海「ねえ、今夜降霊術することになったよ(*^▽^*)」
私「誰とやるの?」
七海「私とA・B・Cだよ〜」
私「気をつけてね〜」
七海は私が小学生の頃からの友達で、割と連絡は取っている方だ。けれどこの二週間前に連絡したのを最後に返信が来なかった。その日仕事を休み、急いで七海の家まで行くことにした。
七海の家は、私の家から電車で二時間程かかる。電車に乗っている間、私は七海に初めて会った日のことを思い出していた。
七海「ねえ、何読んでるの〜?」
私が怖い話の本を読んでいると、一人の女の子が話し掛けてくれた。私は小学生の頃友達がいなかった。でもそんな私に七海は声を掛けてくれ、仲良くしてくれた唯一の親友だった。私も七海も怖い話が好きで、休み時間によく話したものだ。
一度だけ七海になぜ怖い話が好きか聞いたことがある。
私「七海ちゃんはなんで怖い話が好きなの?」
七海「怖い話の世界ってしんじゃった人が出てくるでしょ?つまり、人はしんじゃってもまだこの世界にいれるっていうことだと思うの。しんじゃった人の世界が、何も無いまっくらな場所よりずっといいと思わない?」
その表情は、少し寂しいような、でも希望で満ちていた。あの瞬間を、まるでついさっきあった事の様に思い出せる。
七海の家の最寄り駅に着いて、私は少し忘れかけていた道を歩いた。ほんの少しずつだが、あの頃の記憶が輪郭を帯びる。一緒に滑った滑り台のある公園。学校の帰り道にこっそり寄り道した駄菓子屋。綺麗な水色の石を見つけ、七海にプレゼントした小川。そして、七海の家に着いた。
だが、七海の家には黄色いバリケードテープやブルーシートが貼られてあり、入れそうにない。けれど、私は家の前に60代位の女性がしゃがんで泣いているのを見つけた。
私「…あの、大丈夫ですか…?」
その女性は顔を上げて、「…七海のお友達?」と聞いてきた。顔を見て、七海のお母さんだとすぐ気付いた。私は「はい」と声を押し出した。
























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