当時、子どもたちに詳しい事情が話されることは無かった。ただ「あの山にY君は連れて行かれてしまった。特に祠の後ろで大きな声を出したのがいけなかったんだろう。」と大人同士で話しているのを聞いた子がいたそうだ。それから子どもたちの間でY君の話をすることはタブーとなり、城山に行くことも無くなった。
この頃友人はおかしな夢を見るという。
少年の姿のままのY君が遠くから呼びかけてくる。そしてその背後には奇妙に光り輝く美しい山があるのだそうだ。
「俺にはあの山がどこかに実際に存在する山に思えてならないんだ。俺がその山に気づいてしまったとき、そしてそれをその山に気づかれてしまったとき、俺もYと同じ運命を辿るんだと思う。」
だから彼は見晴らしのいい場所は嫌うのだという。
あの山を見つけてしまうかもしれないから。
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