毎晩、同じ風景が視界に広がる。
木造の校舎。グランドはやや小さく、建物は三階建て。時々真っ黒に錯覚することがあるが、濃い茶色の外壁だ。
これだけ長く見続けると、夢を夢と自覚できるようになる。
しかし私は、決まってこう考える。
やっぱ、もう行きたくないな。
学校。
そうして振り返り、歩き出す。
校門を通り過ぎたところで、視界が途切れる。
そして今、また朝を迎えていた。
「…気味悪いなぁ」
特に何か起きる訳でもないが、間違いなくおかしく、気持ち悪さがあった。ただの夢では無いというのを、身体は感じていたが深く知りたくはなかった。
しかしある日。
同じように夢を見たのだが、建物を前にして思うことに変化が生じていた。
たまには行こうかな。学校。
校舎に向かって歩き出す。
近づけば近づくほど、覆いかぶさってきそうな建物を見て、その大きさに肌が震えた。
昇降口に並ぶ下駄箱は、何故か黒く汚れていた。
いつも通り自分の靴と上履きを交換する。
私以外に登校してきてる人は誰もいない。他に上履きは無いし、物音も人影もなかった。
段差を一段登り、まず昇降口はクリアした。
ふと視線を横に向けると、下駄箱に隣接して正方形の柱が床から天井に伸びていた。
柱に飾られている絵画には、証明写真のように女性が描かれていた。
※この時、絵画の女性は笑っています。
昇降口からすぐ正面に見える階段まで歩き、二階、三階へとそのまま登る。
登り終えて角を左に曲がると、廊下が伸びていて、左側に窓、右側に教室が並んでいた。
私の教室は前から2番目。
ドアをくぐり、教室に入る。
そのまま自分の席に着いた。
…
























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