吹雪の帰り道
投稿者:おいも (2)
私が小学1年生の頃の話です。
私の住んでいる所は雪国で子供の頃は特に大雪で何メートルも積もる事も多くありました。
その日も大雪で学校は午前中で終了して集団下校することに。
私は何故かもたもたしてしまい集団下校するグループは先に出発していました。
一人きりで帰るのは少し心細くはありましたが、学校から家まで結構近く簡単に帰れると思っていました。
ところが学校を出て路地を曲がった所から急に吹雪だし、かぶっていた黄色の通学帽があっという間にどこかに飛ばされてしましました。
小1の私は急に物凄く不安で心細くなって立ち止まってしましました。
吹雪はどんどん酷くなっていてこのままでは家に帰れないんじゃないか、周りには誰も居ない、ホワイトアウトで何も見えない状態で泣きそうになっていました。
とんな時ふと気が付くと高学年であろう男の子が私の黄色い通学帽をもって目の前に立っていました。
泣きそうな私は通学帽を受け取ると黙って男の子の後を歩き始めました。
ホワイトアウトでとこが道かとこが用水路があるかどこが安全でどこが危険か全くわからない状態なのにその男の子は少し歩いては振り向て私がついてきているか確認していました。
何度私が話かけても何も答えてはくれないけど、私の少し前を歩き何度も振り帰り私に付いてこいと言っているようでした。
真っ白な中、その男の子と二人で歩きました。
すると真っ白だった空中が少し見えるようになり、少し向こうに家の前で心配そうにしている母親が見えました。
私は家に帰ってこれた安心感で大きな声で母親を呼び、母親も気づきこちらに走ってきました。
私は母親と無事に会えて安堵していると、男の子が居ないことに気が付きました。
お礼も言えなくて、母親に確認しても私は一人で歩いてきてたと言うのです。
ほんとに家の前まで男の子が一緒だったのに。
それに男の子が何で私の家の場所がわかっていたのかも不思議でした。
今、あらためて思い返すとその男の子は真冬なのに短パンを履いていて、二人で歩いている間は二人には吹雪が当たらなかったようなきもします。
とても不思議ですが無事に帰れたのは男の子のおかげです。
そんな悪天候のなか、小1の子供を一人で下校させる学校の体制がそもそも大きく間違ってる。