人を呪わば穴二つ

10年程前だったと思う。私が当時勤めていた職場近くに小さな神社があった。境内もさほど広くないぶん昼過ぎには学校帰りの子供たちがそこでよく遊んでいた。

その当時私は職場で上司からのいじめにあいストレスがたまっていた。冬のある日、職場から帰る途中、神社の前を通りかかった。神社には誰もいなかったので、私は鳥居をくぐり、本殿の前で（上司Aがいなくなりますように）と願った。

翌日大雪が降り、私は凍結した道路でこけてしまい痛みで立ち上がれなくなった。そのため病院に行ってから出勤することを職場に電話した。幸い骨折はしておらず、午後には出勤できた。

出勤後、上司がいないことに気づき、同僚にきいたら「Aさんは休みだよ。昨日スーパーに立ち寄ったら急に風がふいて、転がってきたカートに足を強くぶつけたんだって。電話でそう言ってたよ」

私はその話を聞いたとき、なんだかあの神社の神様から、喧嘩両成敗と言われたような気分になった。今思えば子供がよく遊ぶ神社だからそんなことするのかなとも思える、そんな不思議体験でした