事故物件での不思議な話

20年くらい前の話になります。怖い話というよりは不思議な話です

20代前半でまだ若かった私はフリーターをしながら都内で一人暮らしをして生活をしていました。そんな時、部屋の更新のハガキが来てしまいそんなお金もなかった私は、更新料払うくらいなら安い部屋に引っ越そうと（その時住んでいた部屋は東京に出てきて間もなかったので相場も分からず多少いい物件に住んでいました。）思いました。

それから何件か不動産屋をはしごして回ってたのですが、都内のワンルームの安い部屋の相場はどこもそれほど変わりなくなかなか安い物件が見つかりませんでした。どうしたものかと友達に安い地域を聞いたりしていろいろ調べていると、事故物件は？と友人の一人に言われました。

聞いたことはありましたが、今ほど事故物件という言葉が浸透もしていなかったので半信半疑ではあったものの安ければそれもいいなと思いさっそく不動産屋さんに事故物件ありますか？と相談に行きました。その時はだいぶ嫌な顔をされたのを覚えています。むしろ対応はそんな物件ありません的な…。

しかし部屋の更新も迫ってた私はほんと安いところに引っ越したいのでお願いしますと頼み込み一件なんとか紹介してもらえることができました。

そこは都内にあるマンションの一室で、その部屋自体は事故物件ではなく上の階で亡くなられた人がいたとのことでした。その両隣と上下の部屋が家賃安くなっているとのこと。

正確には事故物件の下の階を紹介され家賃もかなり安く即決で契約することにしました。
ちなみにどんな事故物件なのか聞いのですが、その部屋に住むわけでもないので詳しい話はしてもらえなかったものの、事件や事故ではなく持病的なもので亡くなられたような事を教えてもらえました。

住んでしばらくすると上の階に誰か住んでいるのはわかりました。自分も一度は住もうとは思ってたけど、事故物件よく住めるな～などと友達が遊びに来た時にネタにしていました。

しかし半年もしないうちに上の階の人が引っ越していき、今度は外国の方が引っ越してきました。その方も半年もたたず引っ越していきました。

自分の部屋ではなにも変わったことはおきませんでしたが、上の部屋ではもしかしたらと思って少し夜が怖くなってました。

それからしばらくして居酒屋でバイトを始めた私は昼夜逆の生活になりました。
ある日、昼寝ていると救急車がマンションの前で止まりました。うるさいな～寝かせろよ！と思っていると救急隊の人が自分のマンションに入ってきました。

自分は一階だったので窓を開けると救急車が目の前に止まっていました。
しばらくすると部屋のチャイムがなりました。眠たかったので無視しようとも思いましたが、どこの部屋で救急車が呼ばれたのか少し気になりでてみると救急隊の人がいました。

救急隊　大丈夫ですか？　私　ん？なにが？
寝起きだった事もあり一瞬なにがなんだかでしたが、話を聞くと上の部屋の人から電話で通報をもらい来たのですが、誰も出ず部屋の番号間違えたかと思いこちらの部屋に来たとのこと。

私は元気ですし眠いのでもういいですかとそうそうに扉をしめました。その時早く寝たかったのとなんでこっちにくるんだと少しイライラして終わりました。

その数日後、昼間、またしても救急車の音。うるさいな～と思った瞬間、またうちのマンションの前で止まり救急隊がマンションに入ってきました。

マジか…。そしてまたしてもピンポンがなり救急隊員…。そして事情説明　いったいどうなってるんだ？

こんなことが何回か続いたある日、
お昼前くらいにいつもの様に救急車の音で目が覚めピンポンがなりいつもの対応そして睡眠。

しかしこの日はなんと午後になってもう一度サイレンの音！え～と思っているといつもの様にピンポンがなり出るとそこには救急隊員ではなく警察官が…

どうやらたちの悪いいたずらかとついに警察が出動！
事情を説明してこちらも困ってます！寝ている時間なので迷惑でしかない！

さすがに目が覚め外が騒がしかったのでマンションの外に出てみると今度は消防車も出動してる！しかもなんと外からはしごをかけ窓を割って突入しようとしていた。

あわてて上には人住んでません。と説明。しかし万が一見えないところで倒れてるかも！確かにその可能性もありますが…さらにこんなことが何日もあることを説明。

最終的に管理会社の人も来たかもですが、突入はなくなり終結。

この時聞いたのですが、救急隊の人曰く通報があればどうしても出動しないといけませんと言っていました。それが亡くなった人からの電話でも…

それから間もなく引っ越ししてこの物件はこの後どうなったかわかりません、昼起こされるようなこともなくなりました。