あのホテルは今…
投稿者:プチかずっち (1)
この話は、実際私が体験した出来事です。
中学1年生の夏のことでした。
夏休みということもあり、父と母、小学生になりたての弟と、近場ではありましたが1泊2日の家族旅行に出かけました。
幼少期のころによく行っていた場所や、懐かしい場所をまわったあとホテルへと向かいました。
そこのホテルは、プールなどもあり、まだ低学年だった弟は大興奮。私も恥じらいはありながらも一緒に楽しく遊びました。
子供というのは、疲れを知らないものですよね。
プールから出た後も、私たち姉弟は元気が有り余っていたため、部屋の中で走り回り、転げまわり…。
そうこうしているうちに、夕食の時間になりました。
夕食会場に向かい、ビュッフェスタイルだったため、目の前にごちそうがたくさん並んでいる光景にまたもや大興奮。
この感動を分かち合おうと弟の方に目をやると、なんだかしょんぼり顔。
弟の様子がおかしくなったのは、ここからでした。
何を聞いても、からかっても「うん」や「やめて」といった二つ返事。
母はその様子を見て、「遊びすぎて疲れたんでしょう」と言っていましたが、それも最初だけ。
だんだん元気がなくなる弟を見ていて、私のみならず、父も母も心配になり足早に夕食会場をあとにしました。
「部屋に戻ったらすぐ寝ようね」と母が一言。
それを聞いた弟は、すごい勢いで「嫌だ!寝ない!部屋に戻りたくない!」と反抗。
私は、まだ温泉に入ってないから寝たくないとごねているのかと思っていましたが、そうではなかったようです。
あの部屋に戻るのが嫌だったということを、あとで知ることになるのです。
とはいえ、温泉に入るためには部屋に置いてある荷物を、取りに行かなければなりません。
弟は部屋に入りたくないとごねるので、荷物は父と母にまかせて、私と弟はロビーで待つことにしました。
2人きりになったタイミングで聞きました。
「本当に遊び疲れただけ?」
そうすると弟はまっすぐな目でこちらを見て「そうとしか言えない」
私は違和感を感じました。
小学校低学年の弟がそんな返しをするわけがなかったからです。
とはいえ私も違和感は感じたものの、特にそれ以上は聞きませんでした。
父と母と合流し、いざ温泉へ。
温泉から上がり、部屋に戻ると父と弟が先に戻っていました。
私はびっくりしました。
弟がさっきとは別人のように元気になっていたからです。
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