廃校のロープ

私が通っていた中学校は、私が卒業した数年後、廃校になってしまいました。
ある夜、私は同級生の友人たちと一緒に、懐かしい思い出を探すためにその廃校に忍び込んだのです。

廃校には、私たちが通っていた頃のままの机や椅子、黒板、教壇が残っていて、当時の様子がよみがえってくるようでしたが、同時に不気味な空気を感じました。
中に入って探索を続けていると、ある教室の天井からロープがぶら下がっているのを発見しました。

私たちは、そのロープが何のために使われていたのか少し不思議に思いましたが、特に何も起こらなかったので気にせずそのまま立ち去り、その日は解散しました。

その後は特に変わりなく日常を過ごしていたのですが、ある日私の母親から、先日警察が訪ねてきたという話を聞きました。

なんでも、廃校の教室で首吊り死体が見つかったそうです。
私たちがいた教室と同じ場所でした。

私たちが廃校に入った時には、誰もいなかったのですが、あの時何か感じたのは確かでした。
あの時見たロープが首吊りに使われたのではないかと考えてしまいます。
私たちが忍び込んだ時、誰かがそこにいたのかもしれないと考えると、今思い返してもゾッとしてしまいます。

私たちが見つけたロープが首吊りに使われたのかどうかはわかりませんが、その廃校で起こった事件は、私たちにとっては今でも怖い思い出となっています。