温泉旅館のあの場所は
投稿者:五爾子 (2)
久しぶりの旅行に行くことになりました。山奥にあるとある温泉旅館。初めて訪れた場所で、その日はお天気もよく絶好の旅行日和でした。
その旅館には1室しかないグレードの高いお部屋を予約していました。お部屋に入ると、改装をされたようで奥に進めばリニューアルされた雰囲気の空間。
入った手前のお部屋が以前あったお部屋だと見てすぐ分かるほどでした。
しばらくお部屋内を探検して、写真撮影をはじめました。手前のお部屋を通ると空気が重く、なぜかじめっとしていました。お風呂はふたつあり、手前の古い浴槽に行って写真撮影をしていたときのことなにか違和感を感じました。
明るくお天気は良いのに、物寂しい空気が漂っていました。お庭に出て、ふと視線を感じ上を見上げると、上の階にはだれか泊まっているのか、薄着味悪いカーテンが。少し怖くなりお部屋に入りました。何か感じない?と口火を切ったのが、一緒に行った連れ。あの手前のお部屋、なにか感じるよねと。
ふたりが同じように感じていました。夕食になり、裏口の配膳から持ってきてくれる別の扉がありました。
開けるたびにギシッときしむのです。スタッフの方に尋ねると、なぜかここ最近、このような音が鳴るようになったのですよね。と意味深な返答。
改装したお部屋のはずなのになぜ?気持ち悪さは増していきました。夜は当然のことながら、あのお部屋のことが気になり朝まで一睡もできませんでした。帰宅してからも、身体がしばらく重く不気味な記憶が残っています。
いまだにあのとき撮影したお部屋の写真は、見返せないままです。
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