不安な木
投稿者:サンダーV (2)
Aさんも隣で様子を見ていましたが驚いたような声を出して前方を指さしました。
そこには例の枯れ木が倒れて地面に転がっていました。
しかしAさん宅の方ではなくBさんの家の敷地内に倒れていたのです。
これはおかしい、なぜだと思い近くに行って枯れ木の様子を見ました。
地面に近い根本付近から折れているのですが倒れた木の一部に街灯に照らされてBさんの血と思えるものがべったりとついていました。
いったい何があったのか?なぜ逆側に倒れたのか?気にはなりましたが薄気味が悪く時間も時間なので家に入りました。
数日後、Aさんと一緒にB家嫁さんからこんな話を聞きました。
「家へいらした翌日、義父にその話をしましたが無視されました。
義父はその枯れ木をとても気にしていたのです。
義父が大事にしている盆栽が庭にたくさん置いてありますが裏の畑から来たのでしょうか何かの動物が盆栽の鉢をひっくり返したりきれいに手入れした枝を折ってしまったことが何度もありました。
義父はひどく立腹していましたがある日肥料をスコップで混ぜているときに見慣れない小動物が盆栽の鉢をひっくり返しているところに出くわしました。
義父はカッとなり持っていたスコップで小動物を殴りつけました。
偶然なのかその動物の頭にスコップの先が命中してその小動物は絶命しました。
近くで見ていた私はぞっとしましたが、義父はばつが悪そうに杉の木の根元に穴を掘りスコップでその小動物を埋めました。
その後その木はだんだんと枯れて弱って見えましたが、義父はその木の様子を見るたびに気分が悪そうにしており一日に何度も木を見に行くようになりました。
あの日、義父が深夜に家を出て何かが折れる音が聞こえました。
外に出てみると倒れた杉の木と同じように倒れた義父が見えました。
頭から血を流しておりすでに死んでいると思いました。
救急車を呼んで病院へ行きましたが義父は亡くなりました。
いったいなぜ夜遅くに木を見に行ったのか、なぜ義父の方に木が倒れたのか、あの小動物が何だったのかわかりません」
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