ハイヒールの女
投稿者:ブギー (1)
私が学生時代、部活動をしていた頃のお話です。
家の最寄り駅に着いた時には夜の20時をまわり、お腹も減りもうクタクタで疲れ果てていました。
家までの帰路は徒歩10分程度。
いつもイヤフォンをして音楽を聴いて帰るのですが、
この日はたまたま忘れてしまったのです。
周りには人はおらず、夜道は暗くて怖がりな私は「無」になって帰るように努力しました。
駅から3分ほど歩くと、人が1人通れるくらいの細い道があり、
その道を使うと近道になるのでいつも利用しており、その日もその道を使いました。
すると、ハイヒールで歩いているような「コツ、コツ、コツ」という足音が後ろの方から聞こえてきました。
なぜかその時、私は背筋がビキッと凍りました。振り向いちゃいけない、とすぐに思いました。
私の霊感は見えないけど、感じることができる程度です。
ただ、その時はいくら「無」になって帰る努力をしても、
怖がって帰っていたことには違いないので、
背筋が一瞬凍ったのも勘違いだと思い込んで少し早歩きをしました。
ですが、そのハイヒールの音が「コツコツコツ…」と少し早まって追いかけてきたのです。
これは、もしかして勘違いではなくリアルかもしれない…
このままでは捕まってしまうとヤバいことになるとすぐに察しました。
その細い道を出た瞬間、猛ダッシュしました。
80mほど走って後ろを振り返るとそこには誰もいませんでした。
結局、何だったのかわからず家に帰ると、飼っている愛犬が
歓迎して吠えているのではなく、威嚇して吠えてきました。
私は怖くなり、疲れていたこともあったのでその日は早めに眠ることにしました。
そして、夢の中か現実かわからないほどリアルな夢を見ました。
赤いハイヒールを履いた髪の長い女性が「コツ、コツ、コツ」と私のほうへ向かってきました。
走って逃げたいのに、逃げられない。体が動かない。苦しい。恐らく金縛り状態でした。
女性が近づくにつれてどんどん苦しくなっていき、息がしづらくなってきたときに
ハッと目が覚めました。その時、夜中の2時台で汗びっしょりでした。
その日は、しっかり眠ることができず翌朝を迎えましたが、
その数日後、部活動で走っている最中に筋断裂で1年間走れなくなりました。
ハイヒールの女性と因果関係があったのかはわかりませんが、
一体何者だったのか今でも不明です。
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