神社の赤い土
投稿者:ホワイト (3)
短編
2022/07/17
04:17
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地元の、ある神社のことです。
小さい頃は、よく友人たちと学校終わりにランドセルを置いたらすぐに神社に集合して遊んでいました。
その神社の裏は少し急な山道となっており、サラサラした赤い土と、それを覆うような沢山の樹々で何か守られているような感じがしていました。
ある雨上がりの日、いつものように友人たちと神社で遊んでいた時、裏山の方からカラスの大きな威嚇するような声が聞こえてきました。
何事かと思い行ってみると、そこには猫の親子がカラスに襲われているところでした。
「助けてあげないと!」小学生だった私たちは、なんとかして猫の親子を助けようと考えましたが、あまりのカラスの迫力にすくんで何もできずにいました。
その時、カラスが空中から降りて、一度赤土に着地しようとしました。
”ズズズズズ”
なんと、カラスの着地しようとした赤土の部分がものすごい勢いで地すべりを起こし崖下へと落ちてしまったのです。
猫の親子も、私達も突然の出来事に驚きしばらく動けずにいました。
「今のなんだったの?」友人はぽつりとつぶやき、その場に座り込みました。
猫の親子もそそくさと山の中に消えていきました。
私たちも、度々あの赤土の上を走ったり通ることはありますが、崩れたことなど一度もありません。
何か山に眠る大きな力が猫の親子たちを守ってくれたのでしょうか。
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