宇宙生物の卵・・・?
投稿者:華恋 (1)
私はいわゆるおばけの類は見ないものの、ちょこちょこ不思議な光景を見る子どもでした。
その光景というのは決して怖いものではなく、今思い返すと、
いわゆるパラレルワールドのように、ここにいながらにして
別の世界を垣間見ているような感覚でした。
たとえば部屋の隅を、小さなメリーゴーランドが回っていたり、
近所を歩いていたはずなのに見たこともない路地裏にいたりしました。
そんな時は決まって、自分を包む空気の感じが変わり、
密度が重く、柔らかく、生暖かく、とろりとカラダにまとわりつくようになります。
「あ、またこの感じ」と空気の変化に気がつくと、
何かしら不思議なものを見るという流れでした。
私は姉と二人で子ども部屋を使っていました。
その晩、すでに姉は寝息をたてていましたが、
私はなかなか寝付けず、ベッドの中から暗い天井を見上げていました。
すると、いつものように空気がとろりと変わり、
私はこれからなにか始まることを察知しました。
ただじっとしていましたが、テレビの砂嵐に近いのですが、
見えている世界の画素が粗くなりました。
すると、壁から天井から音もなく、
20㎝強の卵型の物体がいくつもいくつも出てきて、
きちんと列を作ったまま、天井から床へ、
壁から壁へ、ただ部屋を通り抜けていきました。
何分くらいだったかわかりませんが、しばらくそれは続き、
やがて空気がもとに戻り、視界の粗さも戻ると、
部屋はいつも通り、ただの子ども部屋になっていました。
大人になってから思い出し、あれは宇宙生物の卵が移動していたのか?
私の部屋はどこかへの通り道だったのか・・・などなど
あたりをつけていろいろ検索してみましたが、結局正体はわからないまま。
大きくなるにつれ、不思議なものを全く見なくなりましたが、
今でもどこか懐かしく、もう一度あの空気に包まれたいような気がしています。
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