猫石伝説
投稿者:HAM (4)
短編
2022/07/12
00:31
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この話は他の地域でも似た話があるかも知れませんが、私の集落では前の世代の方は知っている話です。
祖母から聞いたところによりますが、話のバリエーションも地域でもいくつかあるので定かではないですが、射止めた猫が石となって夜になると鳴き始めるとのこと。
実際その石だと思われる物がお寺にはありますが、記憶を遡ると峠を上まで登る途中にある大きめの石が猫石だったと聞いてもいました。
田舎道の工事が入ってその石はどうなってしまったのかと思いましたが、寺院に直近で大きな石を動かしたとは聞かないですし、今の時代そんなこともわざわざお金を払ってしませんので。
寺院にある物とは別に、峠にあると聞いていた石のほうが信憑性はあって真相がとても気になってます。既にその石はなく記憶の中です。
ここの地名には結構おぞましいものもあって、家ごとに独自の呼び方をするのですが、この集落では一種の地名として機能しています。
例えば「紅」と呼んでいる所もあるのですが実際それは血を差すそうで、私の所は「矢置」(やおき)だったそうですが、他の家だと「勝分」(かちわけ)だったりと、戦いをイメージさせる号を使っています。
私の田舎の話ですが、若い人も増えて使ってもいない人の方が殆どですが、地区の中でこういう呼び方をお年寄りの中ではしている人もいて、猫石のような話も実話に思えます。
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