もうひとりの私
投稿者:NB (1)
高校生のときの話です。私の学校は県内ではそこそこの進学校でした。朝の補講というのがあり、全員参加が決まりでした。
朝が苦手な私はいつもギリギリで間に合っていたのですが、その日はいつもの電車に乗り遅れてしまい、次の電車で行くことに。田舎だったので1時間に2本しか電車がなく、結果補講には間に合いませんでした。学校に着いて友達に遅れてしまったことを伝えると、キョトンとした顔で私を見るのです。
「え、きてたやん。普通に補講受けてたやん」
というのです。
「今来たばかりだよ」
と言っても信じてくれません。その日は厳しいことで有名な数学の先生の補講だったので、後で呼び出しを覚悟していたのですが、昼休みになっても呼び出しがありません。なんだか居心地が悪いので自分から先生のところに行きました。
「今日寝坊して間に合いませんでした。すいませんでした」
と伝えると、先生が出席表を確認して、
「ちゃんと来てるぞ。何言ってる?ボケてるのか?」
と言われました。何がなんだかわからなくて、教室に戻って朝とは別の友達に、このことを伝えると、その子も来てたと言うのです。みんなが私をからかっているのかと思ったのですが、そんなことをしてもなんの特もないですし、本当に私がボケてしまったのかとも思いましたが、絶対に遅れたのです。実際に補講で使うノートは今日のページは真っ白です。なんだか納得いきませんでしたが、その日は、みんなが勘違いしているのだろうと思うことにしました。
それから数日立って、数学の補講のときに、前回の小テストを返すと言われました。前回私は欠席していたので、返ってこないと思っていたら名前を呼ばれました。その答案を見て愕然としました。名前や答案の字は明らかに私の字なのです。ですがこのテストを受けた記憶はないのです。私が欠席したあの日、本当にもうひとりの私が補講に出席して、小テストを受けていたのかもしれません。私以外の人達は私が補講に出ていたと、口を揃えて言っていましたし、あとにも先のもこんな不思議なことは経験したことがありません。
誰があなたの代わりを?
もう一人の自分?怖ーい!