天井

とあるマンションに引っ越したときの実話。

天井は飾り板っていうのかな？ベニヤ板みたいな天井なんだけど、天井の隅に段差のある木枠が付いてた。
部屋の角のほんとすぐ近くなんだけど50ｃｍ四方くらいで四角く。
枠内の天井板は他の天井と同じ色の木目だったけどほんの少し位置が高かった。要は開けられる気配がする造りだった。

風呂場の天井換気扇の裏を見たことがあったんで、もしかしたら嵌め板みたいになってて開くのかな？って感じだったけど、そもそも部屋の中にそういうのがあるのは見たことなかったし、枠には取っ手もストッパーのようなものも無く、どう開けるのかもわからないし、ちょっとイヤな予感もしたので放置してた。

何もないまま2年ほど経ったある日、目が覚めてすぐ違和感を感じた。
天井の枠の中の板部分がズレて三角形に隙間が開いていた。その奥は真っ暗。

怖いけど閉めたい。
朝の明るい陽射しに助けられてベッドの上に立って
近づいたが、それでも天井は手を伸ばしてやっと届く高さなんで覗き込む事はできない。

見える範囲で隙間の奥はただの闇。
勇気を出してズレた板を指で押してみた。
意外なほど軽く持ち上がったのでそのまま位置を戻して塞ぐ。

本当にベニヤ板が木枠に乗っかってるだけだった。
でも今までズレたことも無いし風など空気の流れもなさそう。

なんで突然ズレた？
そこ（天井裏）どこと繋がってる？
天井裏ってマンションにもあるの？
なんでこんなところに入り口？っていうか開けてある？
なんで乗せてるだけ？釘打ちとかしないの？

部屋側から開いた？
屋根裏側から？
誰が開けた？

小さな疑問が次々に湧く。
….たぶん古いビルはそういう造りのもある。
知らないけど。それに風とかだろう。天井裏に流れた風で浮いてズレたんだよ。
軽いもの。

それで納得して仕事にでかけたが夜に帰宅するとまた開いている。
天井の板がやっぱりズレてる。

朝とは違って今はもう深夜。
怖いのでしばらく見てたけど変化なし。