退去予定の姉のマンションで起きた不可解な怪現象
投稿者:シェリー (2)
今から4年ほど前のことです。私の姉が1人暮らしをしていたマンションを退去することになり、退去に伴って家具や部屋の掃除など大掛かりな片付けを行なうことになりました。そこで、姉から片づけを手伝ってほしいと頼まれ、母と私は父が運転する車で姉のマンションへ向かいました。
ちなみに、私は姉がこのマンションで1人暮らしを初めて間もない頃に、数回このマンションへ遊びに行っていました。そして、姉の手料理を食べながら楽しく過ごし、いつしか姉のマンションは私にとっても居心地の良い場所になっていました。
マンション内にある駐車場へ車を止め、父と母と私の3人はそのまま姉の部屋に向かいました。
そして部屋の扉の前に立った瞬間でした。私は何か嫌な気配を感じ取り、いつも姉のマンションへ訪れる時とは違った空気に違和感を覚えました。部屋の扉の向こうに「何かいる」ような気がしてならないのです。それは姉でもなく、人間でもなく、明らかに「この世のものではない」と確信しました。しかし、部屋の片付けという目的のため、嫌な予感を抑えつつ扉を開け、中に入りました。
姉の部屋は、玄関を開けると真っすぐな廊下があり、廊下の左手にはトイレ、廊下の先に大きなワンルームがある間取りでした。そして、そのワンルームに入った時のことです。
突如、私は背後に何か強い視線を感じ取りました。それはこの世のものではない、非常に強い怨恨のような感情に満ちたもので、あまりの圧迫感に私は身体が硬直しました。そして、視線を感じた右斜め後ろへゆっくりと振り返ると、そこには顔が潰れた、赤いワンピースを着たロングヘアーの女性が居たのです。彼女の身体は実体が無く、家具から透けて見えていました。
その女性の、あまりにも強い怨念が恐ろしく、かつ彼女の尋常ではない怒りや悲しみがどっと私の意識に流れ込んできました。その瞬間、私は吐き気をもよおし、家族に「ごめん、ちょっとトイレ借りるね」と言ってすぐさま廊下のトイレへ向かいました。
すると、廊下をなんとか歩いている最中に、今度は廊下で子供が遊ぶ声が聞こえ始めたのです。姉の部屋の上下左右に、子供を持つ住人はおらず、マンションの近くに公園などもありません。「キャッキャッ」という女児のはしゃぐような声がこだまし、廊下を走り回る足音までも聞こえるので、流石に私は我慢できなくなり、家族に「この部屋に何かいる、顔が潰れた女性と女の子が見える」と言いました。
しかし、家族はみな「そんなのいる訳ないじゃん」と言い返してきたので、私が「明らかに尋常じゃない霊力の霊が2人存在している、このままだと吐き気だけでは収まりそうにない」と泣いて訴えました。
その姿を見た母や姉は、これはただ事ではないと感じ取ってくれたのでしょう、私だけ車に戻っているように伝え、父が一緒に車まで付き添ってくれました。
なんとか姉のマンションを出て、父と車に戻った私ですが、身体からあの女性の強い怨念が抜けず、身体が硬直して涙が止まりませんでした。あの女性は何かメッセージを私に告げたかったのだと思いますが、その意図を考える余裕などその時の私にはなく、あまりの恐怖に自身を見失いかけるほどでした。
その様子を見た父は、「すぐに戻ってくるから、近くのスーパーで清酒と清めの塩を買ってくる」と告げ、私を車に残してすぐさまスーパーに向かいました。その数分後、父が車に戻って来たので、お清めの塩を身体に撒きました。
また、父には姉の部屋に戻って貰い、トイレや洗面・シンクなどの水回りに清酒と塩をまいて貰いました。ワンルームも同様に、酒をグラスに注いで女性がいた場所に置き、塩を撒いて貰いました。
結局、このような事態が起きたため、父も母も清めの塩を撒いた後にすぐ車へ戻り、私たち家族はそのまま自宅に帰りました。自宅に入る前にも清めの塩を全員が身体に撒き、また玄関にも塩を置きました。
数時間後、やっと私の身体は普段通りに戻ったのですが、振り返って考えてもやはりあの女性と子供の姿・声はあの世のものだったとしか思えませんでした。
姉の部屋は事故物件ではなく、これと言って姉が入居する前に事件が起こった等の事情はなかった為、なぜあの部屋に2人の幽霊がいたのかは今でも不明です。しかし、私はこれまで自分には霊感など無いと思っていたのですが、そんな私でさえはっきりと霊の姿や声を見聞きしたということは、何かあの部屋には得体の知れぬ「何か」が住みついてしまったとしか考えられません。
これほどまでに、霊の存在を強く感じ、かつ身体に異変が起こるほどの霊体験をしたのは、このマンションでの出来事が最初で最後です。
通りすがりの霊が憑いてきて居座ったとか?
酒とか塩って効くもんなんですね。