夜を照らす光の帯
投稿者:蓮爾 (1)
短編
2021/12/30
15:03
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怖くもなんとも無いのですが、とても不思議だった体験を投稿させてください。
あれは、寒い冬の夜の出来事でした。
当時、私は寝る前に窓を開けて町を見渡すことを日課にしていました。
私が住む町は、若者が少ないせいか夜が早く、深夜0時を過ぎると、ほとんどの家で灯りが消え寝静まってしまいます。
そんな町で、自分だけが起きているのだという、小さな特別感に浸るのが好きだったのです。
その夜も私はいつも通り、窓を開けベランダに出ました。暗く静かな冬の空気に包まれた、いつもと変わらない風景かと思われましたが、隣家の屋根がやけに明るいことに気が付きました。
飛行機のサーチライトのような、幅広の白い光の帯があたりを照らしているのです。
その光の帯は、私が立つベランダを照らし、田舎の町並みや田畑を照らし、あっという間に山向こうに消えて行きました。
謎の出来事にしばらく立ち尽くしていましたが、自分の吐く息の白さに気が付き、気が付くと急に寒くなり慌てて部屋に戻りました。
その直後は本当に飛行機だったのかと思いましたが、エンジン音は全く聞こえず、光の帯の幅は端を確認できない程の長さでした。
あれはいったい何だったのでしょうか。
UFOか?とも思いましたが何だかしっくり来ません。
私はもう一度あの光の帯を見たいと思い、あれから何度も深夜に空を見上げました。しかし、あの光が見られたのは一度きり。
あの光がまた見たくて、私は今夜も窓を開けるのです。
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