昔の恋バナ?若かりし母の直感
投稿者:六太郎 (2)
この話は私の母が30代の頃経験したものです。
その日は連日の猛暑でとても暑く寝苦しい夜が続いていました。
いつものように母は就寝準備をしコップ一杯の水を飲み布団に潜り込もうとするとふと隣の布団で寝息を立てている父に目が行きました。
父はいつもと変わらず晩酌をして、気持ちよさそうにお腹を出して寝ています。
母はそっと父のお腹にタオルケットをかけて自分も寝ようとしたとき、
父の枕元に唐突に人影が立っているのが見えて絶句。
恐怖というより理解が追い付かずしばらく眺めていたそうです。
時間にして4~5秒、人影は髪が肩までかかった自分と同年代の女性であると認識できました。
その女性は父の顔を覗き込むように立っていて、表情まではわかりませんがなんだかさみしそうな感じがしたそうです。
そこで母は我に返って父に蹴りを入れて起こそうとしましたが、途端に人影が消えていていました。消えたというより認識できなくなった感じがしたそうです。
本来ならそこで父を起こすべきなのですが、消えたことに安堵したのか、人影のさみしそうな雰囲気に恐怖を感じなかったのか、その日母は翌朝も早いということで、そのまま寝たそうです。
明くる日、昨日の事を父に話すと驚いた様子で
「田舎(熊本県)の幼馴染でS美ちゃんが亡くなったのかも」
と話してくれました。
その言葉に母は何となくピーンと来るものがあったらしく、「最後に会いに来たのでは?」昔の恋バナに邪推をいれるのも悪い様に感じてそれ以上は聞かなかったそうです。
その後、父がS美ちゃんに安否確認を取ったのかはわかりません。
聞きたくても今では父の7回忌の法要を済ませるに至りました。
母がふと思い出した話です。
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