これは私が大学生だったころの話だ。
高校の友人と家で遅くまでお酒を飲み、意識もふらふらして、
すぐに寝入ってしまったことを覚えている。
あやふやな記憶だが、自分が駅のホームに小学校の校長先生と、高校時代所属していたクラブの顧問など、様々な先生がいた。その先生が仲良さそうに話しながら、電車を待っていた。
このおかしな状況から、すぐさまこれが夢だということを理解した。
夢なら何をしてもいいかと思った私は、隣の校長先生をぶん殴ろうと思い、こぶしを構えて校長先生の方を見た。
しかし、私の意識が行ったのは校長先生ではなく、奥でこちらを見ている真っ赤な服を着た女の子だった。
その女の子は六歳くらいで、長い黒髪に赤色の絵の具をそのまま塗りたくったような服を着ていた。こちらを見ているはずなのに、うつむいているような暗い顔をしている。
その日はそこで目が覚めた。
眠たく、おぼろげながら夢の記憶がある朝、スマホを見ると、高校生の同級生から、
「今日のお通夜だけど、どこで待ち合わせする?」
と、メールが来ていた。
「お通夜って誰の?」
私がメールで返すと、数分後に既読が付き、
「知らないの?校長先生よ。お世話になったのに忘れるなんて」
初めて聞いた。それに同級生とお通夜に行く約束もした覚えはないし、実際過去のメールを見てもそんな形跡はない。
校長先生のお通夜から帰ったあと、眠たくないのになぜかベットに吸い込まれ、そのまま寝てしまいました。
案の定、夢の中では駅のホームにいて、今度は校長先生はいなかった。
私は他の先生までも死なせなくなかったので、先生を見ずにずっと前を見ていた。
そして、心の中で「覚めろ!」と言い続けた。
そんな私の思いをかき消すようにゴーッと音がなった。電車が来たようだ。
通っている電車を見ていると、一つの車両から目が離せない。周りの先生はその車両を見ているそぶりもなく、団らんを続けている。
その車両が目の前に来たとき、一瞬だが、昨日の女の子が見えた。
女の子は私の顧問の先生を指さしていたように見えた。
駅の出発のアナウンスで「電車が到着しました」と聞こえたと同時に、夢から覚めた。
目が覚めた時、予想どうりスマホに通知が来ていた。
「うちらのバレー部の顧問、亡くなったらしいよ。」























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