落ち武者の祟り
投稿者:ぐっぴー (1)
短編
2022/12/06
08:50
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地元明石で重宝されている幹線道路があるが、道路が開通するまでは紆余曲折があり、頓挫しそうになったことがある。カーブが少ない4車線の道路で走りやすく一般車やトラックなどが行き交う道で私もよく利用させてもらっている。
この道路は今から50年ほど前に工事が始まったが、そのころは、ほとんど田んぼや荒れ地のようなところだった。トラブルが起きたのは、幹線道路予定地の西部付近で草木がぼうぼうと生えた土地である。
買収した土地を建設会社が測量して、ブルトーザーなどの建設機械を入れて建設機械を入れて基礎工事を始めたら、建機がひっくり返る事故が起きたという。
それも一度や二度ではなく、何度工事を行おうとしても、事故が起きたりけが人が出るなどトラブルが続出したので、地元の古老などから聞き取り調査してみると、事故が起きた場所は戦国時代に羽柴秀吉に攻められて三木城から逃げてきた別所一族が、秀吉の配下のものに捕まりその場所で、斬首された因縁の土地であるということがわかった。
しかし今更道路建設の計画変更は予算や期間の関係で変更することはできないので、関係者が祈祷師に頼んでお祓いをして落ち武者の霊を慰めたたところそれからは事故は起こらず無事道路は完成したという。
おそらく工事が始まる前に地鎮祭を行っていなかったのだろう。建設会社は今でも工事が始まる前は、工事が無事終わるように地鎮祭を行うのは慣例になっている。
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