戦争の記念館

私の地元は昔戦争で大きな打撃を受けた地域です。子供の頃から戦争の話はずっと聞かされていたし、学校でも当たり前に語られる内容で、正直慣れきってしまって現実のものとも思えなくなって「ふーん」と他人事のような感覚で生活していました。

地元で語り継がれる悲惨な状況は見聞きして十分わかっているつもりでも自分には関係のないことと思っていました。

そんな毎日を過ごして高校生になったある日、学校の行事で戦争記念館へ行くことになりました。久しぶりの記念館、でもさほど目新しさもなく遠足気分で館内に。

しかし、足を踏み入れたその時から何だか少し頭が痛い。気のせいかと思いつつ館内を進み、だいぶ経った頃、右耳が「キーン」！。驚いて立ち止まる私。頭痛も前よりひどくなる。体も何だか寒くなり前へ進めなくなる。どうしたんだろう、気分が悪い。耳鳴りは治ったけど体が重い。こんなこと一度もなったことはないのに。

そして気付きました、「ここは記念館。この付近で沢山の方が亡くなった。ここで苦しんでみんな死んだんだ」と。それに気付いた時、私の右側頭部を何かがふわっと流れました。

風のような吐息のような固まった空気のようなものが動いたんです。暫く体調不良は怖くて引きずったけど、無事記念館を後にしました。あれは絶対亡くなった方が現れたんだと信じて止みません。