山口県にある某宿泊施設にて
投稿者:hisa (1)
短編
2022/08/04
20:39
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山口県にある某宿泊施設での話です。
私の母は不思議な体験などをよく話してくれましたが、このお話もその中の一つです。
母はパートタイムで清掃の仕事をしていました。海の近くで眺めも良く料金も良心的なK宿舎はそこそこ繁盛している宿泊施設です。夏の花火の時期などは予約が取れないほど人気があります。
その日は、母と同僚二人で清掃作業をしていました。3階から5階、それぞれ一人が作業をする段取りです。母は4階を担当していました。一部屋ずつ掃除と片付けをします。慣れたもので一部屋に掛ける時間もそこまで長くありません。
5部屋目を終えた時です。長い廊下の奥の方に、自分と同じ格好の清掃作業している人が目に入りました。その人はその隣の部屋に入ったようでした。母は他の階を掃除している同僚さんが自分の階を手伝いに来たのかと思ったそうです。しかし、それにはあまりにも早すぎます。不審に思い、その人が入っていった部屋に向かいました。ドアを開けて声を掛けますが、誰も出てきません。誰もいないのです。
不思議に思いながら、その部屋を見回していきましたが、洗面所のドアを開けて鏡が目に入り背筋が凍りました。
洗面所の天井近くまである長い鏡の上の方に、逆さまになった両手形がはっきりとついていたそうです。
同僚にその話をすると、あの部屋に泊まった宿泊客から変な話を聞いたことがある、影をみたなどの話があったそうです。
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