最後のお別れ
投稿者:山吹色 (2)
私はある日を境に、金縛りのようなものにあうようになりました。
“それ”が始まる時は、必ず耳鳴りがするのです。耳を塞ぎたくなるくらいの音で、まるで始まりの合図を知らせているかのよう。耳鳴りが始まり、しばらくすると体が鉛のように重くなり、動きたくても動けない状態になります。
その状態が続き、何もなく終わる日もあれば、そうでない時もあります。
私がゾッとしたのは、私以外の”誰か”が見えた時。初めて見えたのは、学校終わりに疲れてベッドで寝ていた時です。
耳鳴りがした後、かぶっていた布団がズル、ズルズル、、と動くのです。目を開けてはいけないと言われていたのですが、どうしても気になり薄目を開けてしまいました。
すると、ベッドの足元に明らかに人の手が見え、布団を掴んでいるのです。怖くなった私はすぐに目を閉じて「南無阿弥陀仏、、、」と繰り返し唱えました。
そのまま金縛りは止み、そのまま眠りにつきました。
また違う日には、実家の和室で夜眠っているといつもと同じように耳鳴りが始まり、目を開けずに金縛りが止むのをじっと待っていました。
すると耳元で「ザッ、ザッ」と音がするのです。まるで、畳の上を裸足で歩いている時のような、、。その足音がどんどん近づいてくるのが分かり、なんと私の枕元で止まったのです。
ゆっくりと目を開くと、、そこには青白い足が2本。怖くて怖くてその上を見ることは出来なかったのですが、確かに人の足でした。
その日から数日後、私の大好きだった祖母が亡くなったのです。今思うと祖母がお別れを告げに来てくれたのかもしれません。
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