可愛い箱にご注意
投稿者:NGK (1)
昼と夜が移り変わる時刻を「逢魔が時」というのだそうです。
昔、この時間には魔物に遭遇する可能性が高いと信じられていたため、こんな名前がついたそうです。
今日は私がそんな「逢魔が時」にであった恐ろしい生き物の話を紹介します。
今から約30年前、幼かった私は母と弟と一緒に祖父母の家へ遊びに行きました。
少し早めの夕食を終えた兄弟二人に祖母が「アイスクリーム取ってきていいよ。」と声をかけました。
私の祖父母は昔からスーパーマーケットを経営していました。
ここで、可能な方は昭和のスーパーマーケットを思い浮かべてください。
とても賑やかで騒がしく、あまり清潔な印象がありません。
それに売れ残ったアイスクリームを孫に渡すなんて今では考えられないし、本当に大らかな時代でした。
私たち兄弟も祖父母と会う度にアイスクリームをもらうことを楽しみにしていたんです。
ただ、幼い子供二人に立ちはだかるものがありました。
アイスクリームへたどり着くためには地下へ続く調理場を通って行かなければなりません。
「少し怖いなあ。」私たちはそう思いながら階段を下りて行ったのでしょう。
そんな気持ちをまぎらわそすとしたのでしょうか?
弟が階段の下で紙の箱を見つけて遊び始めました。
箱にはとてもかわいい絵が描かれていて、私もしばらくアイスクリームのことを忘れて弟と一緒に遊びました。
そんな時、私の手に「ベタッ」という粘りのある感触が伝わってきました。
そして、箱に書かれた「超強力」という文字が目に入ってきました。
なんとなく嫌な予感がします。
あまり清潔とは言えない調理場に必要で可愛い絵の描かれた箱、何だと思いますか?
恐る恐る手を離してのぞき込むと、大きな体をぐったりとさせて横たわらせ、苦しそうに赤い目を閉じている野生のハツカネズミがそこにいたのです。
この後、私は「ワー」と泣き出し、その感触と臭いが消えるまで必死に手を洗い続けたということです。
こんなに恐ろしい動物との出会いを、私はそれ以来したことがありません。
この一件以来、私は逢魔が時とネズミが大嫌いになりました。
子供の頃に野原で鬼ごっこをやってる時に転んでしまいました。
目の前には内蔵を他の動物に食べられたであろうネズミさんの遺体。
それ以来いまだにネズミは恐怖の対象ですが、その時のことを鮮明に思い出してしまいました💦