多重人格の彼
投稿者:あめのひ (1)
これは今から5年ほど前のお話です。
当時、高校を卒業し隣の県に進学のため引越しをした際の話になります。
私は高校生の時からお付き合いをしている彼がいました。
お互いアパートを借りていたのですが、毎日どっちかの家でお泊りをしていました。
数ヶ月が経ち私は違うアパートに引っ越すことになりました。そのアパートから不思議な体験が始まるのです。
夜眠っていると、隣で寝ている彼がいきなり起き上がり
何かお経のような事を言い出し、そのまままた眠りにつきました。私は、彼が疲れて寝言のようなものを言ったのだと思いそのまま眠りにつきました。
そして、次の日また夜眠っていると何か気配を感じパッと彼の方を見ると今までに見たことのない目つきで彼がジッと私の事を見ていたのです。私はゾッとして、彼に「どうしたの?」とか声を掛けましたが返事はなくそのまままた眠りました。ふと私は携帯の時間を見ると夜中の2時過ぎで何かあるのかなとと思いました。私は霊がはっきりではないですが、視えたり、感じたりする体質で、その時は寝言とかではない誰か入り込んでいるなと感じました。
それからも何回か同じような事が続いたのですが、当時私は彼に対して少し冷めていました。ちゃんと別れ話をせずに、私は学校も辞めてしまい、地元に帰る事にしました。
それから2ヶ月が経ち彼も学校を辞めて地元に帰ってきたのです。そんな彼を見て追いかけてくるほど私の事が好きなんだなと思い、交際を続け2人でアパートを契約し同棲を始めることにしました。住んで最初の頃はお互い順調で楽しく過ごしていたのですが、またあの出来事が繰り返されるのです。
ある夜眠っていると何か気配を感じ彼の方を見るとまた彼が私を見ていたのです。私は「まだ起きているの?」と聞くと彼の声ではない幼い子供のような声で「10歳です。10歳です」と繰り返していました。また夜中の2時過ぎです。
私は怖くなり彼を何とか起こそうと必死に声掛けました。
そして、また次の日も気配を感じて目が覚めると彼はずっと笑っていました。気味が悪い笑い方で彼ではないような感じでした。
私はなぜか毎回彼が不思議な事になる前に必ず気配を感じ目が覚めていました。
それからも何度かあり、私も「またか」とも思えるぐらいになり生活を過ごしていました。
ある日、私の祖母が道で彼が歩いているのを見たと連絡がありました。祖母は彼を見て、「以前より痩せて別人みたいだね」と言われ、祖母の家系は霊媒師をしていたり霊が視えたらする家系(私も霊が視える体質)でしたので、祖母に彼が眠っている時に起こる事を相談しました。すると祖母も見た感じ何かに取り憑かれていると思うと言い、私にお経の一部を教え、清めの塩を渡してくれました。
夜寝る前寝室に塩を置き、お経を私が唱え寝るようにすると、初日夜中2時過ぎに彼がいつもと違う様子でした。いつもははっきり話していたのに、苦しそうに「ゔぅ…」と何度も言っていたのです。私は隣で彼に手を当て祖母に教えてもらったお経の一部を心の中で唱え、「彼の体から出て行け」と何度も言いました。何日か夜中苦しそうにしていましたが、ある日パッと夜中起きたりすることがなくなりました。
そして、彼自身の見た目にも変化が現れたのです。
痩せこけて見えていた彼がその現象が起きる前の健康的な
見た目に変わっていったのです。
彼には今までの体験談を全て話していたのですが、どれも覚えてないと言っていました。
ですが、彼自身も身体が軽くなったと言っていたので本当に何かに取り憑かれていたのかもしれません。
それから2年の月日が経ちました。
私と彼は結婚をし、双子の子供を授かりました。
子供が2歳になる前の事です。
また彼にあの現象が始まるのです。
そして、2歳の子供もそれに気付いているのか彼が夜中2時過ぎに起きる時、大泣きしだすのです。彼が寝ている頭元を指差したり、部屋中グルグル見回したりして大泣きする子供は何か視えているんだなと私は感じました。
そして、また塩とお経を使った供養のようなものをすることにしました。その時は、塩のスプレーを使ったのですが、彼の寝る布団付近にシュッとかけるとパチっとその辺りだけが光ったのです。カーテンも閉めており光が外から入るはずもないのに光ったので私はまた何か起こるのかないと思いました。そして、やっぱり夜中2時過ぎに始まったのです。子供も泣き出し指差す方を私も見ると2つの黒い影がスーッと通ったのです。また何か彼の元に入り込んできたなとその時確信しました。
それからも毎日寝る前には必ずお経と塩で部屋を清めてから寝るようにするとだんだんと彼が夜中起きたらすることが減ってきました。
当時彼は、「 また俺が誰かを招いているのかもしれない。最近肩が重い。子供が夜中大泣きして寝不足なると可哀想だからお経とかお願い」と言っていたので、彼は自分の身体の変化にも気づいていたのかもしれないです。
元々彼は気が弱く浮き沈みが激しい人だったので、取り憑かれやすい体質だったのかもしれません。
どうぞお幸せに。