重くなる坂道
投稿者:ウチュウ (2)
短編
2022/04/27
18:54
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自分が高校生であったときの話であります。
自分は自転車で通学していたのですが、あの有名なタクシードライバーの話(タクシーに乗ったはずの女の人がいなくなって座っていたところが濡れていたってやつ)の現場でもある深泥池の横の坂道をいつも通って通学していました。
ある時、学校の帰りにいつものようにその坂道を登ろうとすると、風がす~っと吹き抜けたと思うと、ガッと自転車の後ろをつかまれたかのように重たくなりました。
後ろの荷台に何かが乗ったのか、つかまれたのか、どちらにしても、「これはやばい」と直感したので、後ろは振り向かずに、立ちこぎで必死になって登り切ろうと思ったのですが、なかなか自転車は進まず、このままでいくと自転車の速度が遅くなって倒れてしまうか、自分が足をついてしまう状態になりました。
ただ、止まってしまうことだけはは避けないといけないと思い、もう限界に近づいたときに、勇気を振り絞って「いるのは、わかってるよ」というと、また、す~っと風が吹いて、それまでの重さが嘘かのように軽い状態になって、坂の上の電灯があるところまで一気に駆け上がりました。
クラブ活動で疲れていただけなのか、今となってはなぜあのような体験をしたのかがわかりませんが、不思議な体験でした。
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