壁の”宇宙人”
投稿者:くら (1)
私が小さい頃の話です。
私はちょっぴり変な子で、中学上がる前までは毎晩寝る前に心の中で家族とか友達とか、もう地球そのものとか、とにかく色んな人に「おやすみ」を言ってから寝る習慣がありました。
その「おやすみ」を言う人の中に”宇宙人”と呼んでいる人が居ました。
それは、当時私のベッドから見えてたラックの影が人影みたいになっていて、そのひょろっと痩せていて頭が大きめのシルエットが当時衝撃映像かなんかのテレビ番組で見た宇宙人にそっくりで、勝手にそう名付けて呼んでいたものでした。
その”宇宙人”は夜寝る時に点ける小さな豆電球でしか映らないため昼間は全く見えないのですが、何故か日によって場所が変わったり、形が変わったり、家具の配置が変わっても何故かほぼ同じ場所に影ができたりして、必ず私のベッドから見える位置に人影が佇んでいました。
私はその頃周りにに少し面倒くさがられるくらいに怖がりだったのですが、その”宇宙人”は全く怖いと感じなくて、しまいには観察日記をつけるくらいには面白がっていて、毎日おやすみを言わないと一日が終わらないとさえ思っていました。
その後、中学に上がってから一人部屋が与えられたことにより寝室が変わり、それからは全く会わなくなって忘れていたのですが、結局あれはなんだったのでしょうか。
なぜ急にそれを思い出したのかと言うと、最近恋人と同棲する為に引っ越した部屋のベッドサイドに、恐らく加湿器の陰なので小さくはありますが、記憶とほぼ変わらない人影が見えるようになったからです。
今ではすっかり怖がりも治りましたし、”宇宙人”と再会した今でも不思議と恐怖は感じていません。
しかし、あの頃のように毎晩おやすみを言うと何かが起きてしまいそうで、今も見て見ぬふりをしています。
貴女をズーと見守ってくれている影なのかも?
守護霊なのかも…