捕まる、と思った瞬間に、俺の体は公園の外に飛び出ていた。
それと同時にアレの足音も息遣いも気配も、何もかもが消えていた。
そんなことがあったのが約半月ほど前だ。
あれから俺は深夜のランニングをやめ、あの公園にも近づいていない。
その理由はアレに二度と会いたくないから、ではない。
どうやらアレは俺をライバルと認識したようだ。
夜道で1人になると、決まって背後から俺を追いかけてくるようになった。
タッタッタッタッ
今日も足音が聞こえてくる。
強制的なランニング、いや追いかけっこが始まる。
駅から自宅までの帰り道、人通りが少ない住宅街の道。
不運にも1人になってしまった俺は、残り5分ほどの道を全力疾走してアレから逃げなければならない。
タッタッ…タッ
一瞬、足音が止まる。
俺もそれを合図に息を吸い込む。
ダダダダダダダ
アレはいつも律儀に合図のように一度足を止めてから一気に走ってくる。
俺も一気に走り出す。
アレの中では、俺の目的地がゴールになっているようだ。
つまり今は俺の家がゴール。
俺が先に家に着けば、その日はそれで終わり。
幸い、落ち着いて走れたらアレよりも俺の方が速いようで、今のところ何とか逃げ切れている。
でも、この先俺が怪我をしたら?老いて足が遅くなったら?
もしも追いつかれたとき、俺は一体どうなってしまうのだろう
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