男性教師は次から次へと生首を取り出しては、それを淡々と空いている机に乗せていった。その光景を見ているうちに、やっと理解した。
テストで一定の評価を得られた者だけが、いつものようにこの教室に集まっている。そしてテストの成績が悪かった者は、生首にされて元々座っていた机にこうして置かれているのだ。
僕の前に座っていたのは、水谷という小柄な女生徒だった。水谷は若干茶色がかった、日本人離れした髪色が特徴だった。その髪をいつも蛍光ピンクのヘアゴムでひとつ結びにしていた。校則でヘアゴムは黒か茶色と決まっていたけれど、彼女はいつもピンクのヘアゴムを使っていた。
その、ピンクのヘアゴムがついたままの頭が、首だけになって机に乗せられている。
顔は前を向いているからわからないが、見たいとも思わなかった。
周りの誰も何も言わなかった。怖がりで有名な女子でさえ、悲鳴ひとつ上げていない。
明らかに異様な光景だけれど、僕はなんだかそれが当たり前の出来事で、とりあえず僕は生首にならなくてよかったと、そんなことを頭の片隅でぼうっと考えていた。
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テストに合格できないだけで人を殺す早ば好きだろと思いました。この話を聞いてから、テストが琥珀なっています。