第2スタジオ
投稿者:とくなが (5)
私が以前働いていた映像製作所ではスタジオが1~5までありました。
その中でも、不思議なことが多かった第2スタジオの話をしたいと思います。
私がアシスタントとして働いていた時、大変怖いディレクターがいました。
怒鳴り声が大きく、当時も苦手でした・・・。
ある時ディレクターより第2スタジオの施錠を頼まれたので私一人で行くことになりました。
施錠に行ったのは夜の23時ごろでした。
第2スタジオに着き、誰も中にいないことを確認して照明を消し鍵をかけようとした瞬間
「すみませ~ん」
と内側から男性の声がしました。「えっ」と思ったのですが、もう一度照明をつけ扉を開け「あ、ごめんなさい。まだ中にいらっしゃったんですね」と声を掛けました。
しかし、返事はありません。変だな・・・とおもいつつも、もう一度照明を消し
鍵をかけようとしました。
「すみませ~ん」
また中から声がします。その時気づきました。
これ防音扉なのになんで声が聞こえるんだ・・・?
気づいた瞬間嫌な汗がぶわっと出てきました。
「もう締めちゃいますからね!」
「すみませ~ん」
「お疲れ様です!」
私はおもいっきり鉄扉を閉めて施錠しました。
その瞬間どんっどんっどんっどんっ鉄扉を内側から叩く音が響き、重い鉄扉が
ぐわんぐわん動いてるのを見て血の気が引きました。
私はディレクターのいる事務所まで走りこのことを伝えました。
不審者の可能性もある、ということでディレクターが見に行ってくれました。
私も恐る恐る着いていきました。
第2スタジオについたときには静かになっていました。
「お前の勘違いじゃないの?」と言われたのですが必死に弁明していた時
どんっ!!
と、一発内側から叩く音が廊下に響きました。
それに答えるように「うるせーぞ!!イシカワ!!」とディレクターが叫びました。
それから一切音はしなくなりました。
これは怖い