父が私に伝えたかったことは何だったのだろうか
投稿者:円 (5)
これは私の父が入院していた時の話しです。
父は呼吸器疾患により入院していました。
私は初めての入院となった父のお見舞いに行く度に、家とはまるで異なる環境や周りにいる先生や看護師さんになかなか慣れずにいる父から、毎回愚痴を聞かされていました。
いよいよ待ちにまった退院の日、父の所へ向かう途中で主治医の先生から連絡があり、退院を先伸ばしにしたいとの話しでした。
病院に着き父に話すと父は延びたよと残念そうな顔で私と母に話し、家に帰ることを心待ちにしていたんだなというのが伝わり、もう少し頑張ろうよと父に話したのが、私と父の最後の会話となりました。
そして私が不思議な体験をしたのは父の退院の日が延びた日から3日後のことです。
私は寝返りをうち、ふと何気なく部屋のドアの方向を見たら、
父が立っているのです。
何故父だと分かったのか。
それは父のお気に入りのパジャマの柄がくっきりと暗やみから浮き出て見えたからです。
父の立っている方向は、生前とても大切に育てていたもみじの木がある方向で、その立ち姿はまさしく父でした。
少し前に傾いている立ち姿、お気に入りのパジャマを着てもみじを見ている。
そのとき、私は寝ぼけていたこともあり、父は退院して今は家に戻ってきているんだ。
でもそれは違うとすぐに察しました。
退院が先送りになり父は今病院にいるはずだ。
何でここに父はいるんだろうか?
私は立っている父を見たら、
顔は全くぼやけて見えない。
首下から足までがまるで透き通って見えているのです。
時間を見たら午前2時半。
すぐさま灯りを付けましたが、
もう父の姿はありませんでした。
朝起きて、父に何かあったのかな?
今日お見舞いに行くから聞いてみようと思った矢先に病院から連絡があり、父が急変したとの連絡が入りました。
病院につき父の病室に入るともう意識はなく、危篤状態でした。
父に私の所に来て立っていたのは何で?
何か言いたいこととかあったの?
どうしても聞きたかった。
あの不思議な体験は、きっと父が私とのお別れに来てくれたのかなと今でも思っています。
そして、立っていた父が来ていたお気に入りのパジャマを棺の中に入れてあげました。
私も亡くなった父に聞きたいことがありました。永遠の謎になってしまいましたが、もし、生まれ変われるなら、また父に会って聞きたいと思っています。御冥福をお祈り申し上げます。
よくある話しだね!
きっとまた逢えるんじゃないかな?
ご冥福をお祈りします。