近所の倉庫の中には
投稿者:momo (3)
私がまだ小学生だった時の話です。歩いて5分ほどの場所に公園があり、その裏には100段ほどの階段がありました。街灯などはなく夜は真っ暗闇の場所で、人通りはありません。通学路でもあり公園で毎日のように遊んでいましたが、階段をだれかが使っている様子は一度も見たことがありませんでした。
ある日ひとりの友人が登ってみようと言い出しました。なんでも、1学年年上のお姉さんにその階段にまつわるあるうわさを聞いたのだとか。
その噂は、「階段の上にはだれも住んでいない空き家と、それでも誰かが整備していると思われる倉庫がある。その倉庫はいつも扉が開いており、不気味な人形が3体並んでいて、少しずつ髪の毛が伸びている。その人形と目が合って帰り道に階段を下りるのが一番最後だった人は呪われる」というものでした。
小学生の興味本位で6人の同級生と、噂の発信源であるお姉さん1人の計7人で登ってみることにしました。お姉さんはつい先週友達と一度度胸試しで行ったとのことでした。
階段の先にはボロボロのどう見ても人が住んでいない空き家と、ひとつの倉庫がありました。倉庫は噂通り開いており、容易に中をのぞくことができました。
すると、そこには話通り3体の人形が並んでおり、髪もぼさぼさで伸びた状態でした。髪の長さは前と比べようがないので別になんとも思いませんでしたが、先週に1度来ているお姉さんが、奇妙なことを言い始めました。
「先週にはなかった歯が生えている。」
びっくりして見てみると、確かに3体とも歯がうっすらと生えていました。お姉さんは震えながら走って階段を下りてしましました。
残った同級生6人と顔を見合わせどうするか困りましたが、なんだか寒気を感じ、みんなですぐに退散することにしました。
一番最後に階段を下りた人は呪われると聞いていたので、6人で手をつないでせーので降りることにしました。
階段を下りる途中で、ボーンと鐘がなりました。その時は何も思いませんでしたが、家に帰って思い出すと、毎日すぐそばの公園で同じ時間まで遊んでいますが、鐘の音を聞いたのはその日が最初で最後でした。
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