駅近くの廃屋とその跡地に建ったマンションのその後
投稿者:あずみん (1)
短編
2022/11/05
17:23
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京王線のとある駅に住んでいますが、以前、駅から徒歩1分ちょっとのところに廃屋がありました。
平屋木造の造りで、おそらく昭和の半ばくらいからずっと建っていたのではないかと思います。昔ながらの日本家屋で道路からも長い廊下添いのガラス戸があり、そのガラス戸に黄色い着物がずっと立てかけられているのが見えていて、とても気味が悪いなと感じていました。
その家の脇に、いかにも打ち捨てられたような稲荷の祠が祀ってあったのも、そうした気味悪さに拍車をかけていました。
そうこうするうちに気が付けばその廃屋は取り壊され、マンションが建ちました。5階建ての比較的中規模のマンションです。そして稲荷の祠はそのまま残り、マンションはその祠をよけるように建っていました。それがとても不思議に感じていました。
やがて子供が生まれ、小学校にあがり、地域の交流もできると、そのマンションの現状も知るようになりました。そこの住人が知り合いにいるのですが、なんでも総戸数70くらいのマンションで、自殺者が2人も出ているとのことです。
しかも階数は違うのですが、稲荷の祠のすぐそばの部屋からだそうです。
話はそれだけですが、マンションが稲荷の祠をさけていたこと、元の廃屋にずっと立てかけてあった黄色い着物を考えると、やはり無関係ではない何かがあったのかなと思わずにはいられません。
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