祖母の能力
投稿者:多比良 (1)
我が家は祖母と暮らす三世帯同居家族でした。
両親は仕事に出ていたので、日中私の面倒を見てくれていたのは祖母でした。
祖母は霊感が強く、予知夢を見ることがありました。
住んでいた家は元々農家なので庭がとても広く、田舎だったため近所の人が我が家の庭を近道に使うことがありましたが、ある日茶の間で庭を見ていた祖母が私に「○○ちゃん、あの人誰やろうね。こっちずっと見とるけど、見たことない人やわぁ。ほら、あの男の人。」と言って私に知らせるのです。祖母が指し示す方角を見ても私には誰も見えず、庭の木々しか見えません。
またある時は、私の部屋からお手洗いに行くには長い座敷の廊下を渡って祖母の部屋の前を通らなければいけないのですが、夜中に目が覚めてお手洗いに行く時には決まって、祖母の部屋からうめき声が聞こえました。
何事かと祖母を無理やり起こそうとするのですが、必ず「○○ちゃん!ばぁちゃんの上の黒い人をどけて!あっち行って!」と苦しむのです。私には何も見えないのですが、この恐ろしい状況を何とかしたくて寝ている祖母のおなかの上をがむしゃらに手で払いのけていました。
またある時は、朝起きて台所へ行くと祖母が深刻な顔で母に「また夢見たわ。○○さんとこの屋根から黒い煙が立ち上っとったわ。」と話していて、数日たつとその夢に出てきた家では誰かが亡くなるということがありました。
私たちには見えない人が見えたり、予知夢は祖母が生きている間度々ありました。
祖母がこう言った話をし始める時、私は恐怖におののいたものです。
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