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不思議体験

honiさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

1つ多い湯飲み
短編 2022/06/07 23:34 928view

今年の春の出来事です。

長年田舎で一人暮らしをしていた祖母も、今年で92歳になり、いよいよ一人での生活は厳しくなりました。

よって、娘である叔母の家に同居することになり、親族5人で祖母の家の引っ越しのため、片づけをすることになりました。

13年前に亡くなった祖父が約60年前に建てた家で、酒好きで人が集まることが大好きだった祖父が亡くなるまでは、

お盆や正月、その他イベントがあれば親族がたくさん集まる思い出深い家でした。

引っ越し作業の間も、様々な思い出の写真や品がでてきては、みんなで雑談に入ってしまい、なかなか作業が進みません。

それでも、朝から作業を始めて、お昼過ぎにはある程度片づけが終わり、あとは引っ越し業者に任せられるところまでこぎつけることができました。

みんな朝から何も食べていなかったので、スーパーで食料を買い込み、食事をとることになりました。

近所の方からの赤飯の差し入れもあり、いざ食事をとることになり、私の妻がお茶を入れてくれました。

「お茶が入ったよ」

といって妻が持ってきたお茶は全部で6杯でした。

そこにいたのは私と妻を含めて5人しかいません。

単純に妻が数を勘違いしてしまった話なのですが、私がふと感じたことを口に出しました。

「じいちゃんの分じゃないかな?」

一瞬シーンとした空気が流れましたが、

叔母が「私もそう思った」と言いました。

祖母もそんな気がしたそうです。

亡くなった祖父から

「みんな、今日はありがとう」

と、言われた気がして

なにかほっこりとした気持ちになりました。

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