ひいばあちゃんの部屋の窓
投稿者:Mass (2)
短編
2021/12/28
14:51
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私が生まれる4か月前の春先の出来事。
母の祖母、私のひいばあちゃんは元気な人だったけど老衰のため突然亡くなった。
ひいばあちゃんは母の出産を楽しみにしていた。
里帰り出産をした母は、ひいばあちゃんが寝起きしていた部屋、その部屋で生まれたばかりの私と寝起きしていた。
私が生まれたのは真夏で、蒸し暑い夜、用心のために網戸を閉め、窓のカギをかけて母と私は就寝した。
翌日、1か所だけ窓が開いていて網戸になっていた。夜中に誰かが部屋に来たのか聞いても誰も部屋には行っていないという。
その開いていた窓は、亡くなったひいばあちゃんがいつも花を飾ったりよく喚起をしていた窓だったらしい。
次の日も次の日も網戸、窓をしっかり閉めて就寝した。必ず窓が開いていた。
母は思った。「あ、おばあちゃんが赤ちゃんを見に来ているんだ」と。
母が気が付いた日は、窓をあけて網戸にして就寝した。赤ちゃんに会えるのを楽しみにしていたひいばあちゃん。
天国からわざわざ赤ちゃんの顔をみにとってんやね、と母は花を窓に置いた。
花を窓に置いた翌日からは、窓が開くことがなくなった。不思議なもので、全く怖いとも感じることがなく、
なぜか暖かい気持ちになったひいばあちゃんの話。おそらくひいばあちゃんの魂がほんとうに赤ちゃんの顔を見に来ていたのだとだと思います。
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